止まない雨はとか。
止まない雨は無いという。
いい言葉だなぁと思う反面、ずっと続く晴れなんてないんだとも思う。
"平和"を戦争と戦争の間の期間と訳す皮肉も有名だが、雨とはなんだと思う。
大丈夫、いずれ止むからと思うには俺は全然強く無い。
が、代わりにそれを楽しいと思う事には長けていると思っていた。が、最近はその力があんまり無くなって来たなぁと思ってこんな事を言っているのだ。
昔大雨の中、傘一本で2人で歩いていた事がある。
家までは近かったし靴ももうずっぽり濡れてしまっていて、いっその事ことずぶ濡れで帰るか!と2人ではしゃぎながら帰った。
その頃iPhoneは6で防水もないし、カバンだって中に染みてしまうタイプだったけど何も気にしなかった。
夏の白けた気温の中、大粒の水弾(弾と呼んでいいくらい降ってた)が当たるたび、ひんやりとして、気持ちが高まっていくのを感じた。
シャツはもうぴったりと体にはりついていて、両手を広げて天を仰ぐとまるでドラマの主人公の様な気持ちにもなった。
友達と笑いながら水中をかけていた時、その時間違いなく無敵だった。
その時俺らはきっとミュージカルの上映中で、雨音とどっしりと水を含んだ靴の鈍い音とのオーケストラで、どうやら果てしなかった。
最近そんな気持ちを忘れていた気がする。
ただしっかりと思い出した。
そんな感じで、今後も色んな人を急にミュージカルの舞台にあげながら俺は生きていきたい。
巻き込んでいく形で、或いは巻き込まれながら。
大丈夫、そんな難しいことじゃないよ。