ヨコタのそれはそれ、あれはあれ。

ヨコタの感じた日々のあれこれ

あーあ。


待合室でレントゲンを撮るために順番待ちをしている。
平日の総合病院は混んでいた。
呼ばれるまでの時間を皆椅子にかけてじっと待つ。

シートはほとんど埋まっていて一つ残った空いてる席に腰を下ろした。待機して10分程度、ぼそぼそと声が聞こえる。
あいてないねぇ、、、
老夫婦が立っていた。おそらく奥様の付き添いで夫が来ており椅子が空いてないもんだから夫が気を揉んだのだろう。
あいてないねぇ、、、
いいよいいよ立ってるから
当人はこの会話を聞かせているわけではない。
ヨコタは席を立って少し離れた壁にもたれた。
またぼそぼそと聞こえる

ほら、空いたから座りなよ
いいよ、悪いし
せっかく譲ってくれたんだから

なんだか最悪の気分になった。
こと良いことをしてる感じがすごく嫌だった。
だからすぐに先生から名前が呼ばれた時とてもホッとした。あの空間に長居はできなかった。


良いことをしたつもりはない。ただそれは偽善として、自分を良く見せようとしてやった事でもない。
ただ、自分より座りたい気持ちの強い(主観だけれど)人が座れば良いと思っているだけだ。
だから良い事でやったわけではない。現に自分は座りたい気持ちが強くあったら、優先席でも平気で座り続ける男だ。
人と一緒に暮らす際、家事を平等に分担はしない。どっちもやりたくない事、それをやりたくない気持ちが強くない方がやればいいと思う。要は仕事量ではなく気持ち面で分担しようという考えだ。
この裁量で生きてこの裁量に従順なだけである。良いも悪いもない。

機械的に従うだけの行為を"せっかく"譲ったと言われれば騙したみたいだ。
本当に生きづらい。

暮らしの中で何度、無駄に落ち込んで来たのだろうと思う。
これが無駄なんてわかってはいるけど落ち込まずにはいられない。

無駄に落ち込んでないと、自分が良い人なんじゃないかと錯覚してしまいそうでいつかその錯覚が解けた時にどうにかなってしまいそうで。